モーリスマイナーの乗り心地
前回のブレーキの話の中にあった写真、ブレーキ以外殺風景で有りませんでしたか?
何か足りない。
スカスカして見える。
そんな気がしませんか。
なにか気づきましたか?
実は
バネ(コイルスプリング)が有りません。
筒の様な物(ショックアブソーバー)が有りません。
モーリスマイナーのフロントサスペンションは
4cm×1mほどの円柱状の棒
トーションバースプリングです。
バーと言うだけあって、この棒のねじれを利用したスプリングです。
絞った時に戻ろうとする力を利用しているので伸び側、縮み側両方に作用します。
固定されているカムの位置を回転させる事で車高調整も出来ます。
とても優れものですが、このトーションバーは冶金技術が物を言います。
柔らかくても、硬くても、折れてしまってもダメ。
そんな技術が1948年に販売されたモーリスマイナー・シリーズMMには既に採用されていました。
当時、市販車に普通に採用されていた英国の技術はすごいと思います。
今、マイナーに乗っても本当に乗り心地いいですよ。
日本で1948年と言えば、美空ひばりさんがデビューして『リンゴの歌』を歌い。
東京ブギウギが流行し、そして本田技研工業(株)が設立された年です。
ホンダが4輪車業界に参入したのは1963年にはスポーツカーの様なトラック
T360でした。
モーリスマイナーの15年後です。
日本の自働車業界はオースチンやルノー、トライアンフなどから技術を頂きました。
50年経った現在、日本車でバリバリ走っている車がどれだけ有るでしょうか?
部品が簡単に手に入るのでしょうか?
モーリスマイナーは現役で走っているのです。
それも何台も。
そしてこれからも走って行くと思います。
部品が全て手に入ります。
直して乗る。捨てない。
だからゴミにならない。環境を考えたとてもエコな車です。